ペース配分ではなく、出力配分の重要性とは?
こんばんは!
今日は、昨日に引き続き、出力配分についてお話します。
昨日は、僕が最近のレースで納得のいく結果を出し続けることが出来ているのは、普段の練習から出力配分を意識しているから、というところで終わっていましたね。
皆さんは、今年の東京マラソンで大迫傑選手が日本新記録を更新したレースはテレビで見ましたか?
20~25kmあたりで一度先頭集団から離れたにも関わらず、30km以降再び追いついて、彼らを置き去りにしました。
大迫選手は、このままついていってしまったら、最後まで持たないことが自分で分かっていたからこそ、一度下がったのでしょう。
レース中に自分の余力を冷静に分析し、時には一度力を「制御」する。
これは、勇気のいる判断だからこそ、非常に難しいです。
しかし、僕は、この能力はどんな練習の時にも十分養えるものだと考えます。
たとえ、タイムトライアルでなくても、「どんな練習でも」です。
普段の練習では、調整をしていないので試合の時に比べて、身体に疲れがあり重い状態です。
そこで、試合のペース、あるいはある決められたペースに合わせた練習ばかりでは、ただ「いけるところまでいく」だけの練習で終わってしまい、十分な練習量を確保できなかったり、精神的にもやり切った感(これは、けっこう大事)がありません。
しかし、あらかじめ「どのような目的の練習で、どれくらいの負荷をかけるようにするか」を考えておけば、ゴール地点でどのようなきつさで終わればよいのかが明確になります。
例えば、インターバル1000m×3をするとします。
これは、心肺機能に出来るだけ長く負荷をかけたいので、3本目に失速しない程度に速いペースで走る必要があります。
これを分かっていれば、3本を通してその日の実力を出し切れるような出力配分を考えることが出来ます。
僕は、指導者の口癖である「練習の目的を考えろ!」という理由はここにあると考えています。
時に試合のペースに挑戦するような練習も必要ではありますが、大半の練習は、その日の練習全体を見通して、力の出し方を学ぶ方が、よほど応用の効くものだと考えます。
僕は、最悪の天候だった北九州マラソン2020を走りました。
目標ペースは3’40/kmだったのですが、強い向かい風があって、ペースを守ることばかりに固執してしまうと、ムダにエネルギーを消費してしまうと考えました。
30kmまでほとんど時計を気にせず、自分の余力と相談しながら走ることで、30km以降ペースアップが出来、結果的に、目標であった福岡国際マラソンの参加標準記録を突破出来ました。
そんな僕も中学時代、特に1、2年生の頃はとにかくぶっ飛ばして、最後まで持つかどうかみたいな、一種の運ゲーみたいなレースばかりしていました。
だから、1500mのレースなのに800mで僕のレースは終わっていたようなこともありました。
たまにやるならまだしも結構な頻度でやっちゃってましたから、今思えばもったいなかったなーと感じますね(笑)
今は特に十分な練習場所がなく、一人で練習を続けているランナーがほとんどです。
100m毎に距離が分かるような公園ではなく、何の目印もないような公園や川沿いで練習をしているような方こそ、この出力配分を鍛える最高の環境です。
例えば、インターバル3分×5 r=2分 という練習をするとします。
この時、いつもは200mを何秒ペースと決めて、それに自分を合わせようとするでしょう。
しかし、この練習は時間で区切っているので、3分間このペースで走れるのか、5本良いペースで走り切れるのか、自分に問いかけながら走ることが出来ます。
そうすることで、自分の余力がどの程度であれば、どのくらいこのスピードを維持できるのか、などがどんどん分かるようになってきます。
ストップウォッチに自分を合わせるばかりではなく、自分とストップウォッチが自然と合わさることが究極の目標です。
中学生には難し過ぎる!とは思いません。いつやっても難しいので(笑)
こういう考え方をしたことがない子は多いはずなので、ぜひ、覚えておいてくださいね!
まだまだ試合がある気配はありませんが、みんなで励まし合いながら頑張っていきましょう!
それでは、ばいばーい